kosame21のブログ 人生の目的

なぜ生まれなぜ死んでいくのかは決して永遠の謎ではありません。仏教はそれを説明しています。その具体的な説明を第一回「人生の目的」(2021.9.07)から第四十三回「新しい時代に向けて」までに書きました。どうぞ読んでみてください。

本当の創造

現代世界において人間が生きる上での重要な理念として「自由」「知性」「創造」が強調されます。

今の有識者が解説しているこの三つの理念は人間が求めている本当の理念ではなく、みな間違っていると私は思います。

本当の自由と知性についてはすでに説明しました。

本当の自由とは他の何ものにも束縛されないということではなく、自分の心の中にあって自分を束縛している我執の心から解放されることです。

また本当の知性とは妙観察智を中心とした四智ないしは五智を知ることです。いわゆる科学的な知はどのような関係があるのかを推測し知ることであって、「何故か?」「何か?」の答えにはなっていませんよね。りんごの実が落ちるのは何故か? 地球とりんごに万有引力が働くからだ、は本当の答えにはなっていない。なぜ物質の間に引力がはたらくのかは全くわかりません。

「創造」のことですが、人間は文明を獲得したのでどうしても創造を特別で優れた理念だと考えるのでしょうね。私は本当の知性や自由は非常に大切なものと考えますが、創造はそう重要なこととは考えません。それでも本当の創造については色々と考えましたので、私の創造観を書いてみます。

神、永遠のブツダが自然を創造しました。だから人間の創造もそのようなものでなければならないと思います。あるアメリカ先住民が「確かに神が自然を創造したのだが、我々人間も神の創造のわざに参加しているのだ」と言っていましたがその通りです。これは人間だけに限らずあらゆる生きとし生けるものが参加していると思います。

本当の創造とは、心からの祈り、願い、夢が神の心に届き、神の智慧と力でその夢が実現することです。

イエス・キリストという人も「心から祈り求めればどんな事でもかなえられる」というようなことを何回か言っていたと記憶しています。これが本当の創造だと思います。

非常に強く願ったこと、また繰り返し何回も願ったことは、その後違うことをしたり、寝てしまったりしても決して無にはならないのだと思います。

強い願いはその時限りで終わるのではなく、その時には実現しなくとも将来その願いが実現するための助けになるのではないかと私は思っています。

ユガ唯識派の人は多分その辺を理論的に説明しているのだと思う。心の因果、識転変について厳密詳細に論じており、大変複雑なので私は最後までついて行けなかったのですが。

身近な話としては、学問、芸事、武道など色々な分野で大成した人は先天的な能力だけでなく子供の頃から一貫して強い意志を持ち続けたという人が多いですよね。

たとえてみれば、強い願いは植物の種のようなものになるのではないでしょうか。