イヨマンテとは熊祭りとか熊送りの意味で、育てた熊を１〜２年後に屠殺して魂と肉体を分離し、神である魂を天に送り残された肉をみんなでありがたく頂く儀式のようです。
この儀式の意味内容ですが、熊は本当は神であってその神が熊に変身して地上に生まれてくるそうです。そのおかげで人間は肉や薬、毛皮や骨などありがたい有用なものを得ることができる。だから人間は熊に変身して生まれてきた神のわざを称賛して神である熊の魂を天上に送り返して祝うのだと言っています。「そうか熊は神なのか。では人間は何なのだ?」と聞かれると、人間も神なのだと答えるそうです。
この宗教観は私が大乗仏教を学んで得た教理教学的な価値観とぴったり重なります。
大乗仏教は一切衆生悉有仏性、生き物はみな本当は永遠のブツダであると言っています。変化身てすよね。その変化身は肉体を他に与え命を天の神にささげることが最高の悟りを成就したことになると大乗は示しています。
さらには、神の変身のわざと熊の肉体を称賛することによりまた新しい熊が地上に生まれてくることになるとアイヌ人は言ってますが、これも仏教と同じ真理です。
地上の現象は全て神のわざが示されています。そのわざを称賛する行為と心は果報として神の永遠の智慧、光の中に吸収されそれが環相回向されまた地上に新しい知恵、報身仏として出現すると大乗は言っています。新しい熊が生まれてくることに通じます。
