kosame21のブログ 人生の目的

なぜ生まれなぜ死んでいくのかは決して永遠の謎ではありません。仏教はそれを説明しています。その具体的な説明を第一回「人生の目的」(2021.9.07)から第四十三回「新しい時代に向けて」までに書きました。どうぞ読んでみてください。

シミュレーション仮説について

少し前にシミュレーション仮説に関する本を読む。

我々が日々経験している世界は現実ではなく、何らかの高度な知的存在がコンピューターシミュレーションをしていて、その現れとしての仮想現実であるという仮説です。多くの科学者が支持しているそうで、人間もやがて文明を発展させてシミュレーション世界を作り出せるかもしれないとかなりの人達が考えているとのこと。

大乗仏教はこの世界は仮想現実であると言っていますよね。大乗仏教は唯心論ですから物質は実在しないと言っています。どの生き物の生命の奥底にもこの宇宙の主宰者である仏がいてシミュレーション世界を演出していると言っている。一切の現象は生命の奥底の仏の心であると。

華厳経のように「心は巧みなる画師のごとく様々に五蘊を画く」とはっきりは言わなくとも、般若経でも「あたかも幻術師が何もないのにあるように見せるが、それと同じように世界を見せている」というようなことを示しています。空(くう)は実在しないということです。

また法華経も物質が存在しないことを実に巧みに暗示していることは以前書きました。

私はコンピューター的なもので意識を生み出せる可能性は低いと思っていますが、この世界が永遠のブッダによりシミュレートされた仮想現実であることは確信しています。

本には「もしこの世界がシミュレートされたものであることがはっきりすれば、何らかの目的を持って生み出されたことになる」という風に書かれていました。その永遠のブッダの目的と人生の目的についてはこのブログで書きました(第一回から第四三回までの投稿)。

それとは別に最近のAI(人工知能)の発展は目覚ましいようです。そしてその危険性を指摘している人もいます。人間が意図した以上のことをAIがやりだして人間の脅威になる可能性があると。

この考えから私が連想したことは、永遠のブッダが生み出したシミュレーション世界で人間というAI的存在が永遠のブッダの一番の脅威になっているのではないかというものです。今も続いている自然破壊と環境汚染を見ればかなりの人がうなずくのではないでしょうか。他の生き物(AI的存在)はみな神の心のままに生きていますよね。キリストの言う「失われた一匹の羊」とは「人間」のことではないか? 地上の生き物はみな神の子であると仏教は言っています。

私の文明観は、これだけ文明を発展させてしまつたので廃止することはできないが、できるだけ少ないほうがいいという考えです。ただ誰もがほとんど労働しなくとも生きていけるようなAIを作れるのなら作ったほうが良いと思う。労働しないと生きていけないという制約がいろいろな問題を産み出しますからね。

アメリカのプロテスタントの中にはアーミッシュという教団があり、彼らは余り文明的なものを使用せず生きているのだから案外文明から離れることは困難なことではないのかもしれない。