kosame21のブログ 人生の目的

なぜ生まれなぜ死んでいくのかは決して永遠の謎ではありません。仏教はそれを説明しています。その具体的な説明を第一回「人生の目的」(2021.9.07)から第四十三回「新しい時代に向けて」までに書きました。どうぞ読んでみてください。

驚きの連続

45歳の時に般若心経を読んだと言いました。それまで宗教に全く関心のなかった私がなぜ仏教の本を読む気になったかというと、友人が送ってくれたからです。

実はそのころ私はかなり落ち込んでいました。普通はこの年になったらバリバリの社会人として活動していなければならないのに、自分はまるで成長していず、社会的常識も身についていないし、特別な技術もなく、興味関心と言ったら競馬というギャンブルぐらいでした。

さすがに40歳を越えると先々のことが不安になり、何とか人生をやり直したいと思い、なにか自分に合った仕事はないだろうかと考えたり、また若い時の友人に相談してみたりしました。

友人の一人は大変心配してくれて「やり直してみろよ。俺の知り合いに何人かかなり時代の先端を行っていることをしている人間がいる。紹介してやるからやってみてはどうか」とまで言ってくれました。

しかしそのころの私は有用な知識が何らなく、時代の先を行くような仕事はとてもできないだろうと、その話についていくことはできませんでした。

その延長で、その友人がしばらくして般若心経の本を送ってくれたのです。多分「ひょっとして仏教の本を読んだらなにか人生観が変わるかもしれない。良い方に行くかもしれない。」と案じてのことだと思います。だから読む気になりました。

そして読んでみて、前にも言いましたようにびっくりしました。具体的に言うといわゆる有名な「色即是空 空即是色」を日本語に訳した文章を読んで驚きました。色とは物質的現象のことで、空とは実体がないという意味だと書いてありました。

つまり「物質的現象は即ちこれ実体がない。実体がないということが物質的現象である」と説明されていました。これを読んで少し間をおいて、うーむ確かに! その通りだ! と思いました。仏教が言っていることのほうが正しいと確信的に理解できました。

それまでは世界は実体があるものに満ちていると思っていたので、それが否定されて実体がないという考えのほうが正しいとわかったので驚いたのです。それで、今まで当たり前のように自分が考えていたことは、ほとんどが単なる思い込みだったのではないかという疑問が湧いてきました。

たとえば川には名前がついていますよね。利根川とか木曽川とか。そしてそれぞれに名前で示されるような実体があると思っています。しかしよく考えてみると水の様態も岸辺の様態も絶えず変わっていますよね。ということは利根川という実体はないということです。

そして俄然仏教に興味を持ち、他にどんなことを言ってるんだろうと仏教関係の本を読み始めました。読めば読むほど驚きの連続でした。意味深げな哲学的用語がずらずら並んでいたり、神秘的だけどなにか深い真理を言っていると思わせる文章に満ちています。

何ということだ、このようなすごいものが自分のすぐそばにあったのだ、と驚きました。すぐそばにとは、どの街にも図書館はあり仏教の本はどこにもありますから。

更に勉強をして行き、途中からは、人生の目的や世界がなぜこのようにあるのかも説明しているに違いないと思うようになりました。

そして、難解でわからないところも多かったのですが、考えながら勉強を進めて行き、十年と少し経った頃、自分でもビックリしたのですが、大体の生きる意味がわかったのです。