kosame21のブログ 人生の目的

なぜ生まれなぜ死んでいくのかは決して永遠の謎ではありません。仏教はそれを説明しています。その具体的な説明を第一回「人生の目的」(2021.9.07)から第四十三回「新しい時代に向けて」までに書きました。どうぞ読んでみてください。

ホトトギス仮説

今日は夢や創造に関係したことで私のある仮説を紹介してみようと思います。

私が以前住んでいた海の街はウグイスがものすごく多いところでした。他にこんな場所は無いのではないかと思うぐらいです。

ウグイスたちにも縄張りがあり、これは彼らの鳴き方が少しずつ違うのですぐわかります。普通の街では一ヶ所からは多くともニ羽の声が聞こえてくるぐらいでしょうが、ここは一ヶ所で三羽の鳴き声が聞こえるところもあります。

その鳴き声ですが普通の鳴き方「ホーホケキョー」と聞こえるのは全体の三割ぐらいでしようか。半分ぐらいのウグイスは「ホーホケキキョ」と聞こえます。声の質はまた少しずつ違うのですが人間のことばにするとこうなります。

残りの二割ぐらいのウグイスは「ホートケ」とか「ホトケキョ」とか「ホケホイ」など少しずつ違う風に聞こえます。もちろん鳴きはじめの頃ではなく最盛期の声です。

そしてですね、ウグイスが多いのであの「トッキョキョカキョク」と鳴くホトトギスもかなり渡ってきます。

みなさんも知っていると思いますが托卵と言ってホトトギスは親のウグイスがいない間にウグイスの卵と似た色の自分の卵を産みつけ、その分だけ食べてしまうんだったか落としてしまうんだったかそういうことをするそうです。そしてホトトギスのひなは早くかえりウグイスの卵を落としてしまうとか。実に不思議なことをします。

卵の色が似ていることも不思議ですが、ひなの行為などは人間の大人でもそんな考えは思いつかない人のほうが多いのではないでしょうか。

実はこのことである時ある考えがふと浮かんだのです。

ホトトギスは自分で自分の子供を育てるのが嫌でウグイスの巣に卵を産みつけるのではなく、またウグイスたちはみんな馬鹿で産みつけても多分気が付かないだろう、などのよこしまな考えでするのではなく「お願いだから自分の子供を育てて欲しい。ウグイスさん!どうかお願いします!」と尊敬の気持ちでやるのではないかと思ったのです。

つまりですね、ある時にあるホトトギスがウグイスの大変美しい鳴き声に感嘆し、自分もあのように鳴きたい、しかしどうやっても鳴けない、だったらせめて自分の子供を育てて欲しい、育ててもらえば我が子が鳴けるようになるかもしれない、とウグイスに熱いエロスの心をいだきながら夢中になって何かに祈り願ったのです。その願いが天に通じて、ホトトギスはウグイスに気付かせずに我が子を育ててもらう知恵を得たのではないかと思うのです。

そしてその祈り願ったホトトギスがすぐ知恵を得たのではなく、この夢が原因となり何世代か後にホトトギスカッコウなどの同じ類が縁となって、またウグイスやその同類のヨシキリなども縁となって新しい関係ができたのではないかと私は思っています。

そのひとつの証拠ですが、ホトトギスという名前はその鳴き声からきており、また不如帰去(または不如帰)とも書きこれも鳴き声からきているそうです。「ホトトギス」「フジョキキョ」、先ほど半分ぐらいのウグイスが「ホケキキョ」という風に聞こえると言いました。声の質はまるで違いますが発音としては何か似ていませんか?

もしこの仮説がかなり当たっているとすればこれもひとつの創造と言えるのではないでしょうか。特別に優れた創造というわけではありませんが、どちらかが滅んでしまうような関係ではなく、エロスの心といい立派な創造であると私は思います。